新10 1-
266:学生さんは名前がない / :
読売新聞フリーペーパー「Cha!」より
つづれ織り 仙台は三大ブス都市の一つなのか
「名古屋の人って結婚式は豪華にするけどケチだそうですね」「おい、俺が名古屋出身だって知って言ってるのか」
転勤族の上司と部下の会話だ。酒席で、思い出の勤務地について語り合っているうちに、話題が名古屋になった。
このとき、部下の一言に上司はムッとした。場の雰囲気を変えようと部下は、ほかの話を持ち出した。「仙台、水戸
名古屋を日本三大ブス都市というそうですね」「そうかい、俺の女房は仙台出身だけど」上司はまた不機嫌になった。
同席していた、上司と年齢の近い私はブス論を否定した。「仙台に小学生と中学生のとき住んでいたけど、少なくて
も自分が好きだった女の子はかわいかった」と。だが、一段と強まった険悪なムードは断ち切れなかった。この経験
以来、あまりよく知らない相手との会話では、県や市町村の悪口につながるようなことを言わないように心がけている。
仙台は国の出先機関や企業の支店、支社が多い。それらの男性幹部の中にも、「仙台はブスの街か?」と尋ねる人がい
る。「三大美人都市は、金沢、京都、それに秋田だ」と言う男性もいる。でも、その男バージョンである三大美男都市
や三大イケメン都市について語る人と出会ったことはまだない。
ひとみを見ると、結構その人の気持ちが分かる。女優には、ぱっちりとしたひとみの持ち主が多い。
でも、歴史に残るような大女優に共通するのは「口が標準以上に大きく、少し声が低めで柔らかく、
それでいて声が響く点だ」そう指摘する人がいる。目には見えない声。化粧であれこれとごまかす
ことのできる顔よりも、心の在り方がそのまま反映される声のほうが重要なときもあるのは間違い
ない。 (読売新聞東京本社 東北総局・S)


ir ver 1.0 beta2.2 (03/10/22)