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794:氏名黙秘 / :
何より学生を悩ませているのは、開校半年が経過し2期生の合格発表後も一向
に決まらない「新司法試験の内容」である。
平成18年からロースクール生が受験する司法試験は、現在行われている司法試
験とはまったく違うタイプの司法試験となり、関係者間では「新司法試験」と
呼ばれている。
ところが、その新司法試験の概要が一切知らされないまま、各ロースクールが
手探りで作った教材で授業が進められ学生に課題が与えられていることから、
ロースクールの課題をこなしたところで、新司法試験対策として一切役に立た
ない危険がある。もしそういうことになると、前出の学生らの共通意見にある
ような膨大な予習が、単なる徒労に終わる危険性がある。
ロースクール生らは戦々恐々としている。何しろ、3年コースだと年間150万円
の学費プラス生活費の合計300万円近くを、3年間払い続けなければならず、
新司法試験の合格後1年間の司法修習期間も無給なので、司法修習がおわり法律
家デビューする頃には、1000万円の借金を抱えてスタートするのである。それで
いて新司法試験の合格率が30パーセント台というのでは、会社を辞め家族の理解
を得てまでロースクールに入学した学生たちがまったく浮かばれないどころか、
社会から抹殺されるのだ。
「ロースクールは、国家的な悪徳商法。これじゃ先物取引の方がルールが決まって
いて納得がいく。文部科学省と法務省、そして中途半端なことしか授業しないロー
スクールはすべて土下座して授業料を返還してほしい」(23歳女)。
「何が理論と実務の架け橋だ。馬鹿にしているのか。くだらない学者のオナニーだ。
司法試験に合格できるような授業をする点では、司法試験予備校の方がずっと優秀
だ。大学などクズだ」(25歳男)と言い切る学生もいる。
机にかじりついて暗記ばかりしていた既存の司法試験を打破し、実務向けの新しい
タイプの法律家を養成すべく「理論と実務の架け橋」をキャッチフレーズに船出し
たロースクールだが、こんな甘い幻想はすでに崩れ去り、もはやロースクール自体
の制度の根幹が崩壊してしまった。
ロースクール制度も、先は長くないであろう。
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