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592: ◆nullpoD4G. / :
あるところにぬるぽの好きな男がいた。
男は「(都の人のする)ぬるぽというものをひとつやってみよう」と思った。
男の女房が「(天さかる鄙にすむわたしのような教養のない女でもわかるが)都の人はそんなことをしない(と思う)」
と諌めたが、男はきかない。
「(釈迦入滅以来うだつのあがらない自分という男にほとほと愛想が尽きたが)
ここでぬるぽと書けば(都の人のように)頓知がきいていると世の賞賛を受けるだろう」
とぬるぽと書いた。
はたして翌日、殴打の嵐だった。
無駄なことをするものだなあと(何故か判らぬが突然出てくる)横川の僧都(そうず)は嘆いた。
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