新10 1-
740:名無しさん、君に決めた! / :
「ほらほら!言ってみろ!」
デブでヲタクな僕は今日も川原でイジメっ子達の相手をさせられていた。
「お前、もしかして叩かれるのが怖いのか?!言えよ!このデブヲタ童貞!」
イジメっ子の一人が僕を何度も蹴った。蹴られた背中に激痛が走る。
その痛みに耐えかねた僕は、不覚にも『その言葉』を口に出しそうになってしまった。
「ぬ……ぬるッ…」
…駄目だ。こんな僕にもプライドはある。言葉を濁らせた僕に、イジメっ子達はとうとうキレた。
激しい侮辱の言葉。暴行の嵐。僕はしばらく気を失った。
……気付いた時にはもう夕方。イジメっ子達の姿はない。
僕は勝ったのだ。『その言葉』を僕は最後まで口にはしなかった。
向う傷を優しくさすりながら、僕は家路を辿った。
-fin-

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